脂質異常症

脂質異常症とは

脂質異常症とは、「悪玉」のLDLコレステロールや血液中の中性脂肪(トリグリセライド)が必要以上に増えるか、または「善玉」のHDLコレステロールが減った状態のことを言います。ほとんどは症状が現れることがありませんが、悪化すると動脈硬化を引き起こす原因となります。主な原因としては、過食、運動不足、肥満、喫煙、過剰なアルコールの飲酒、ストレスなどが関係しているといわれています。

脳梗塞や心筋梗塞と脂質異常症

脂質異常症では、血液中の脂質が血管内にたまってしまい、血液の流れが滞って動脈硬化を引き起こします。その結果、心臓や脳に血液が行き届かず、心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こしたり、血流が滞ることで脳卒中などが起きるリスクが高まります。心臓病と脳卒中は日本人の死因の第2位と3位を占めており、どちらも動脈硬化が原因となって起こる血管の病気です。初期に自覚症状は出ないので、定期的に検診を受けるようにしましょう。

心筋梗塞

脂質異常症の原因

脂質異常の原因としては、食生活と生活習慣が挙げられます。油分の多い食事や間食、運動不足による肥満、喫煙、過剰なアルコールには注意が必要です。他にもストレスなども原因になるのでご注意ください。

仕事や家庭でのストレス

睡眠不足・精神的ストレスを感じると、交感神経が刺激されて血中脂質の上昇作用があるホルモンが分泌されます。その結果、コレステロール濃度や血糖値が高まり、脂質異常になる可能性があります。こうした直接的な原因以外にも、ストレスがたまると食生活の乱れやアルコールの過剰摂取などにより、中性脂肪やコレステロールを増やしてしまいます。

タバコ・喫煙習慣

タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激させ、血圧が上がって心臓に負担をかけてしまいます。その他にも中性脂肪のもとになる遊離脂肪酸を増やしたり、善玉のコレステロール濃度を下げ、動脈硬化を進行させます。禁煙は自力ですることがなかなか難しいですが、今は医療機関での治療も可能になっています。1日も早く禁煙することをお勧めします。

脂質異常症の症状

脂質異常症自体には自覚はなく、健康診断で指摘されることでしか病気を発見する方法はありません。ただ、脂質異常症は動脈硬化を進行させる原因となります。動脈硬化が原因で、動脈がムーズに伸縮できなくなり、高血圧の原因になったり、血栓ができて血管がつまったり、血流に耐えきれずに動脈が破裂したりすることがあります。自覚症状がない分、日ごろから規則正しく、健康的な生活を送ることが重要です。

脂質異常症の治療

脂質異常症の治療は運動療法、食事療法、薬物療法を行います。自覚症状がない病気なので、改善されたことも実感しにくいのですが、定期的な健康診断で数値を確かめるようにしましょう。

食事療法

肥満を解消して適正体重をキープできるように、カロリー制限ができる食事をとります。他にもアルコール飲料やコーヒー、喫煙などは控えるようにしましょう。

運動療法

軽く汗をかく程度の有酸素運動を、週3日以上で1週間の運動の合計が180分以上となるようにしましょう。運動の内容は他の疾患の有無などによって変わるので、医師と確認してから進めるようにしましょう。

薬物療法

他の病気の有無、患者様の状態などを確認したうえで適切な薬を処方します。患者様のQOLを損なわないように、ライフスタイル、服用しやすさの好みなども併せて確認します。

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